天然ガスのカードをちらつかせるロシア、欧米(NATO)との関係悪化に日本も巻添えか…
こんにちは。管理人のnobuです。
昨年からウクライナ問題をめぐり、ロシアと欧米(NATO)が対立しています。
ロシアは豊富な天然資源である天然ガスをパイプラインで欧州へ供給しています。
ドイツをはじめとする欧州各国は、原発や石炭火力発電所の代替エネルギーとして天然ガスを広く利用しており、ロシア産の天然ガス依存度が高くなってきている。欧州全体で40%がロシアからの天然ガスの占める割合。しかも、年々欧州のエネルギー価格が上昇しており2021年12月には前年比で69%の上昇率となった。今回のウクライナ問題を機にエネルギー供給がストップする可能性があることに各国が懸念を表明している。
以下、時事通信より引用
ロシア、欧州切り崩し図る 天然ガスで揺さぶり―ウクライナ情勢
2022/02/03
【モスクワ時事】北大西洋条約機構(NATO)不拡大を求め、ウクライナに軍事圧力をかけるロシアが欧州諸国の切り崩しを図っている。プーチン大統領は1日、ハンガリーのオルバン首相と会談したほか、イタリアのドラギ首相とも電話会談。欧州でエネルギー不足の不安が高まる中、ロシア産天然ガスの安定供給をアピールし、NATO加盟国でもある両国の取り込みを狙った。
ロシアはNATO加盟を目指す隣国ウクライナとの国境付近に10万人規模の軍部隊を集結させ、米欧にNATO不拡大を要求。米欧はロシアに部隊撤収を求めているが、ロシアが応じる気配はなく強硬姿勢を崩していない。
引用元:https://www.jiji.com/jc/article?k=2022020200786&g=int
以下、WSJ(ウォールストリートジャーナル)より引用
ロシア産ガスに依存するドイツ、脆弱さ鮮明
ロシアのウクライナ侵攻で欧米が制裁を科し、ロシアがガス輸出を停止すれば、ドイツは窮地に
2022/02/07
【ベルリン】ロシアがウクライナに侵攻した場合の欧州の制裁措置の選択肢は、ロシア産ガスへのドイツの依存によって狭められている。ロシアが欧州へのガス輸出を止めれば、ドイツの脆弱(ぜいじゃく)性があらわになる。
ドイツは20年前から原子力発電の廃止を段階的に進めており、近年は二酸化炭素(CO2)排出量削減の取り組みとして石炭への依存度引き下げに動いている。こうした対応は、ドイツが現在、他の大半の欧州諸国よりもロシア産ガスに大きく依存していることを意味する。それは暖房用だけでなく発電用についても言える。
ドイツは先進国の中で最も高い部類のエネルギー価格に直面する中、国内最後の原発3カ所を今年中に閉鎖する。同国のすべての石炭火力発電所は、2038年までに閉鎖される予定になっている。
過去何十年にもわたってロシアから安価なガスの安定供給が続いてきたため、歴代のドイツ政権は、より高価な液化天然ガス(LNG)を米国やカタールなどの主要輸出国から輸入するためのインフラ設備を全く建設してこなかった。ドイツには現在、自前のLNGターミナルは一つもない。
これらの要因によってドイツは、ロシア産ガスの世界最大の買い手となった。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)によれば、EU諸国のガス輸入に占めるロシア産の比率は平均40%前後だが、ドイツでは50%以上になっている。
これらのことを受けて、米国バイデン大統領が関係国に天然ガスの供給支援を打診。
以下、時事通信より引用
2022/02/03
【ワシントン時事】米ブルームバーグ通信は2日、ロシアがウクライナに侵攻して天然ガスの欧州向け供給が途絶える事態に備え、バイデン政権がアジアの主要な天然ガス輸入国である日本や中国、韓国、インドなどに対し、有事の際に輸入分を欧州へ融通することができるか打診していると報じた。
引用元:https://www.jiji.com/jc/article?k=2022020300203&g=int
引用ここまで。
日本国内の尿素原料は、石炭以外ではこの天然ガスからの生成が多く、この天然ガスが欧州への融通へと回されるとなると、国内で必要な天然ガスの割り当てなどを見直す必要があります。天然ガス由来の尿素原料が減産ということになれば、尿素原料の輸入量が増加。当然価格も高くなってくることが予想されます。
昨年末から燃料や食材の原材料(小麦や油など)などの物価上昇が顕著になって来ていますから、しばらくは尿素原料の価格も高く推移しそうです。
資源をめぐる主導権争いは今も昔も変わらないということです。
私たちにとっても対岸の火事ではない今後のウクライナ問題はウォッチしていきたいと思います。
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